ハンガーマップ2017(*1)によると、世界人口の10分の1以上にあたるおよそ8億人を超える人が栄養不足の状態に陥っています。国際貧困ライン(*2)といわれる1日1.9ドル未満で生活している人は7億人以上とされています。
インドネシアでは経済は成長しているものの、依然として国際貧困層は総人口の6.8%(*3)います。また、インドネシアが国で定めた貧困ラインでの貧困者比率では9.82%であり、さらに貧困ライン(*4)の少し上にいる低所得者層がまだ大半をしめている状態です。私たちが水揚げ拠点として開拓している地域は東部インドネシア。ここはインドネシアの中でも低所得者層が多い地域です。特に、マルク州という地域はGDP換算で1日4.38ドル(*5)(22,857千ルピア/年)、首都ジャカルタの44.55ドルと比較すると、実に10倍以上も差があります。
インドネシアでも国を挙げてこの問題に取り組んでおり、国家政策(RPJPN(*6))には、『7. 海洋国家としての科学技術の向上と資源保護及び防衛力を強化した国家作り』を挙げています。FTIJAPANは国営水産企業と協力し、漁業を中心とした地域経済の活性化、漁民の生活の質が向上に取り組んでいます。
まだまだマルク州などの僻地地域では、品質管理知識の不足により価値を失ったおさかなが廃棄されたりすることがしばしば。このような地域においても技術指導を行い、良い品質のものについては現地の流通価格よりも高く買取るなどしてフェアトレードを目指しています。「慈善」ではなく、資源を有効活用した「持続可能な取引」を推進することで貧困対策に貢献していきたいと考えています。
出典
*1 WFP国連世界食糧計画(WPF:World Food Programme:wpf.org)
*2 世界銀行(The World Bank:http://www.worldbank.org)が2015年10月に1.9ドルと定めました。
*3 インドネシア中央統計局(https://www.bps.go.id)2018年調べ
*4 インドネシアの中央統計局(BPS: Badan Pusat Statistik)は、社会経済調査(SUSENAS: Survei Social Ekonomi Nasional)のデータに基づき、貧困ライン及び貧困ライン以下の人口を設定して いる。BPS は、「貧困ライン」を「一人一日 2,100 キロカロリー相当の食糧と、それ以外の必需 品(衣服・住居・教育・保健・交通等の 25~27 非食品項目)を得るのに最低限必要な支出水準」 と定義し、都市部と農村部別に総合貧困ラインを定めている。
*5 yahooファイナンス(2018/11/30付レート参照)
*6 インドネシア政府の国家長期開発計画(国家開発計画省:BAPPENAS策定https://www.bappenas.go.id/id/)